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おっちゃん物想う

おっちゃん物想う

思い出の医療関係者

ここでは和んだ話を。
嫌だったり重い話は後ほど違うHPに書いてリンク張ります。

太ったオバタリアンにも見えなくもない中年看護婦。
「私の子供の頃はなぁ、貧乏で小学生の時から牛乳配達で働いとった、苦労はなこうてなんぼや」
「こうやって煙草吸ってんのはなぁ、あんたらと少しでも話がしたいからやねんで。詰め所で待っててもこうへんやろ」「困ってる事や辛い事が有るなら言いなや。貯めたら病状悪く成るで」
「あんたらは薬飲んだらしんどく成ったり眠く成って困って抜くんやろうけどな。精神科の薬は癌の薬と一緒で飲まなかったら自分が困るねんで。癌から比べたら楽な副作用やで。ちゃんと飲まなきゃ退院出来ないで」
私の隣に寝ていた患者が「興奮して」窓ガラスを割った翌日。
「あんた、最近は外に出てないやろう。ここは開放で出られるんやで。丁度小遣いが貯まってたやろ。幾らか持ってちょっと買い物なり遊んでおいで」
、、、看護助手から始めて、何とか准看護婦の資格を取った面倒見のいい太っ腹母さんみたいな看護婦だった。
私は「癌の薬」の例えの言葉にある種感動した。
勉強出来て資格持ってるから偉いなんて事は「間違ってる」と思った。



”警察から連れて行かれ医療保護に成った病院での主治医”
「はい、解りました。明日から煙草は一箱出しの許可を出します」
喫煙コーナーで、その先生と一緒に煙草を吸ってる時の会話。
「私の見る限りあなたは、特に問題行動をするとは思えませんので看護士に問題が有ったと考えています」
或る看護士と煙草の事でもめた時、私が「人権擁護委員会に電話する権利は有りますよね」と、何人かの看護士を引き連れて電話した後の話。
「私もね、偶に可笑しな時が有るんですよ、人間は誰でも何処かに可笑しな部分を持ってますね。病者としてのあなたと私とで現在は、どれ程の違い、問題点が有るかちょっと解らないですね」。
「それを言うならパーキンソン病でしょう。逆ですね。心配なら薬を減らしても良いですよ」
私は「アルツハイマーに成るんじゃないかと心配で」と訴えた。
言いたい事は、解ってくれてる。
薬の所為でドーパミンの「足りない状態」が怖いのだと。
ちょっと太りたいので「インシュア」を出して下さい。
腰が痛いのでシップを。
すぐに出してくれる、私を信頼してくれた医者だった。
退院の時、「今回の入院で何を学びましたか?」
何と答えていいのか、すぐには質問の意味が解らなかったが、
「薬を飲む事ですか?」、「そうです」
「ちゃんと薬は飲むようにしなくては又悪化しますよ」。
通院拒否、拒薬の後症状悪化が酷く我を取り戻した時、「俺は病気なんだ、薬は効くものなのか」と初めて思った時の主治医。
割と若い先生で優遇してくれ好印象だった。
言いたい事を、間違って言っても解ってくれる医師は信頼出来る要素の一つを持っていると思う。



或る欝の女の子。
煙草を吸いながら込み入った話をして居たら詰め所に着いて来て、と。
既に他の患者との揉め事の件で何回か詰め所には行っていた。
暫く軽い話題をした後、「外泊したら、貯まってる薬全部飲もうと思ってるんです」と。
一人の看護士が、「君ねえ、それを私たち看護の人間に言うという事はどう言う事か解ってるの?」「あなたの話を聞いてるとこちらまでしんどく成るんだよ」
彼女は「外泊したいんです」
「いいかい、そんな事をすると聞いたからには放っては置けないんだよ私達には」「聞いたからには報告します」「それで外泊が取り消しに成る事も有るかもしれませんよ」
私「今まで看護士さんが言っていた暫く皆と距離を置いて外泊で気分を変えて立て直すと言う話は聞いていたの?看護士さんが悪い事を言ってると思う?」「看護士さんの言う事を信頼して聞いて、それを試してみようよ。」「外泊取り消しに成るかも知れないと解って言った言葉だよね」「僕たち患者からしたら制限が加えられて仕舞う嫌な事もする看護だとも思うけどその様な拘束を望んで言ったのじゃなく助けて欲しいからだよね」
彼女「助けて欲しいんです」。
「さっきから何回も話を聞いて他の患者さんからの苦情も聞いてる、あなたの”死にたい”なんて言葉は看護の人間でもきつい言葉なんだよ。幾ら話しても解って貰えない感じもする。」
「一応先生には報告はします。自殺したいと言ってたと。だけどその余ってる薬は病院に持って帰ってね。その約束をして先生と話したら禁止には成らずに済むと思う」、で、彼女も納得して一段落。
後にその看護士から、「さっきは有難う、貴方のお陰で助かったよ」
何回も「苦しんでる」と相談に行くと聞く看護側も辛くしんどく、思わず「私達にはきついんだよ」と。
その未だ若い看護士は出勤すると患者の部屋を回り「準夜です、よろしくお願いします」と声を掛けて回る。
「胃の方は調子はどうですか?」煙草を吸うディルームにまで巡回で来て尋ねて行く。
看護士も人間、「切れる」事も有る。
それも「辛い」からと言う話でした。
真剣に患者の苦しみを聞いてるからこそ「切れた」のだと。








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